ITパスポート試験に合格するためには、どのくらいの勉強時間が必要でしょうか。
難易度やカリキュラムから調査しました。
ITパスポートの難易度
一般的なイメージ
ITパスポートは情報処理の登竜門として、もっとも基本的な資格です。
パソコンやIT分野に詳しい人からみれば、やさしい資格となります。
しかし、IT分野に詳しくない人からみれば、知らない用語のオンパレードです。ハードルが一気にあがるため、しっかりと勉強する必要があります。
ITパスポートの合格率
ITパスポートは概ね40%~50%の合格率で推移しています。
- 平成23年度 51.10%
- 平成24年度 41.00%
- 平成25年度 47.60%
- 平成26年度 47.90%
- 平成27年度 47.40%
- 平成28年度 48.30%
40%~50%の合格率から考えると、比較的やさしい資格に分類されます。
しかしながら、もともとIT分野に詳しい人が、本格的な情報処理試験に入る前のウォーミングアップとして取得する傾向があります。合格率が高めに出ていると考えられます。
試験内容はそれほど簡単な内容ではないので、注意が必要です。
公式ページの説明文から
ITパスの公式ページでは以下のように資格を説明しています。
iパスは、ITを利活用するすべての社会人・学生が備えておくべきITに関する基礎的な知識が証明できる国家試験です。
具体的には、経営戦略、マーケティング、財務、法務など経営全般に関する知識をはじめ、セキュリティ、ネットワークなどのITの知識、プロジェクトマネジメントの知識など幅広い分野の総合的知識を問う試験です。
経営からセキュリティ、ネットワークまで、かなり広範囲の知識が求められます。
1つ1つの知識は基礎的なことですが、幅広い分野を学ぶことになります。
試験時間・出題形式・合否基準から難易度をみる
試験内容は以下の通りです。
試験時間は120分です。出題はすべて4択です。
合格基準が「60%以上の正解率」なので、ここがITパスポート試験の合格率を高くしています。
絶対評価の資格試験(たとえば簿記など)は、70%以上の正解率を基準にするケースがほとんどです。
全問4択である上に60%の合格基準。これが、ITパスポートの敷居を低くしています。
ITパスポートの出題範囲は、現代の生きる社会人に必須となる教養なので、より多くの人に受験してもらうためにハードルを下げているのでしょう。
ハードルを下げるという意味では、試験方式がCBT(コンピュータを使った試験)というのも重要です。
年に1,2度の試験ではなく、年間を通して毎日のように試験が実施され、いつでも受験できます。
上記すべてを勘案すると、ITパスポートは取得しやすい国家資格です。
ITパスポートの勉強スケジュールを比較する
通信講座や専門学校では、ITパスポートの勉強スケジュールをどのように設定しているでしょうか。
それぞれの講座の勉強スケジュールから、勉強時間を推定できます。
ユーキャンのITパスポート合格指導講座:5ヶ月
生涯学習のユーキャンは、勉強スケジュールを5ヶ月にしています。集中して勉強するなら、3ヵ月でのスケジュールもあります。
iTecのITパスポート スタンダードコース:6ヶ月
IT資格のiTecでは、上記コースで6ヶ月の学習期間を設定しています。
プロカレッジのITパスポート 通信講座:5ヶ月
産業能率大学のプロカレッジでは、ITパスポートの受講期間を5ヶ月としています。
TACのITパスポート 本科生:3ヵ月
資格の学校TACでは、上記コースの教室講座で約3ヵ月としています。通信講座を1日1講義こなせば、1ヶ月でも可能です。
上記は講義スケジュールなので、模擬試験等の勉強時間は含まれていません。
やさしい資格のわりに学習期間が長い理由
ITパスポートは合格率が5割程度のやさしい資格ですが、そのわりに学習期間は数か月におよびます。
もともと出題範囲は広く、しっかり知識を身に付けようと思ったら、それなりの学習期間が必要です。
ITパスポートに合格しやすい理由は、「全問4択である上に60%正解で合格」という試験設定にあるので、出題内容がそこまで簡単なわけではありません。
ITパスポートの推定勉強時間
ズバリ90時間
上記の各ITパスポート講座のスケジュールから考えると、およそ90時間程度の勉強で合格が可能です。
- 1日3時間の勉強なら1ヶ月。
- 1日1時間の勉強で3ヵ月。
- 週末にだけ勉強するなら6ヶ月。
この勉強時間を確保すれば、十分に取得が可能です。
ITパスポートを取得しておけば、基礎的なITの知識があることが国家資格で証明されるため、就職や転職に有利です。
合格基準が低く設定されているので、狙い目の資格といえます。